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【1年生・探究学習】恋愛話を通して人と人との付き合い方を考える

本記事では、倉敷翠松高校1年生の後期探究学習で行った「テーマ別探究」の活動を紹介します。今回は「恋愛」のグループです。

ねらい

このグループでは、恋愛に関するディスカッションを通して、人と人との関係性や接し方について考えることをねらいとします。

授業内容

●オリエンテーション
まずは生徒へのモデリングとして、担当教員の恋愛実体験をプレゼンし、教員2名でディスカッションを行います。教員の実体験を聞いて、生徒たちは盛り上がり、その後の真剣な恋愛のディスカッションもきちんと聞いていました。

●ディスカッションテーマを募集
5~6人のグループに分かれて、各グループからこれからの授業で取り扱うディスカッションのテーマを募集します。生徒たちは下記のようなテーマを提案してくれました。

・束縛はどこまで許せるか?
・付き合う相手に求めるのはどんなことか?
・カエル化するか?どんな時にカエル化するか?
・男女の友情は成立するか?
・付き合っている相手の浮気現場を見つけたらどうするか?
・「愛している」と「好き」の違いは何か?

●ディスカッションと共有
1コマあたり2つのテーマを取り扱い、生徒たちはテーマについてお互いの意見や体験を共有し、話し合いを行います。その後、グループで話し合った内容を全体共有します。

●エッセイの執筆
授業のまとめとして800文字のエッセイを執筆します。エッセイでは、印象に残っていることと今回の探究を通して自分が考えたことを書きます。他の人の意見から得た新しい発見についてや自分の実体験をつらつらを叙述したりしながら、ほとんどの生徒が人と人との接し方や信頼関係に関する学びを記述していました。また、自分も素敵な恋愛をしたいという文もありました。

生徒の声

最初はグループに男子が僕だけで緊張したけど、色々と話をしていくうちに、お互いの感覚の違いが分かって面白かったです。自分の恋愛エピソードを共有したときも、その話に対するみんなの捉え方や考え方の角度が違っていて。

グループでの話し合いを全体に共有するときは、自分の話をみんなに面白く伝えたいと考えていました。注目されるのが好きで、その場で立って伝えるよりも前に出た方がみんな見てくれるから、いつも教壇に立ってプレゼンしていました。

この前、2週間くらいニュージーランドに行ったんです。そのとき「君は海外の方が合っているかもね」と現地の人に言われて、その言葉にどこか納得感もあって。大学卒業したら海外に住みたいなと思っています!

先生の声

この授業は、生徒たちの力、生徒同士の化学反応によって場がつくられていったまさに「探究」の時間でした。どの生徒も茶化すことなく、真面目に恋愛について話を交わし、自分たちの力で場を進めていきました。

コース間(創学コースと生活科学科)や男女間の垣根も超えて、生徒間の仲が良くなっていました。授業時間外で(創学コース教員の)私にも遠くから手を振ってくれる生活科学科の生徒もいました(笑)

彼らが挙げてくれたテーマも良く、人同士の関係性に迫る対話ができるものでした。教員からコミュニケーションの大切さを一方的に説く必要などなく、彼ら自身の力で、人と人が接するときに大切すべきことにたどり着くことができました。